先月下旬になりますが、ホームページから「ドレスに付いたミルクの染みが取れないか?」というお問い合わせをいただきました。
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ご返信したところ、早速そのお客様にご来店いただきまして、衣類を預かることになりました。
品物を見ると、ドレスといっても、ベビー用です。後から伺ったところ、ウェディングドレスからベビー服へリメイクされたということで、繊細なビーズや刺繍が施されていて、写真のようにとても素敵なドレス(プラス帽子)です。
ただ、お預かりする際に、「リメイク品」というのが気がかりでした。
一般的にリメイク品というのは既成のものをアレンジして作成するために、ケアラベル(繊維の配合や洗濯方法が記載されている衣類に付いているタグ)がないことが多いと思います。
ケアラベルというのはメーカー(作り手側)と、クリーニング店(メンテナンス側)との約束事みたいなものですから、衣類をメンテナンスするクリーニング側から見させていただくと、正直、それがないということでは、洗いの難しさがあります。
衣類を持ち込まれたA様も、クリーニング店選びに不安があったようです。
ケアラベルについてはお客様にあらかじめご了承いただきまして、今までの経験値(触感や目視)を元にメンテナンスさせていただきました。
染みはきれいに落ち、店に納品完了。お客様も喜んで引き取られたようです。
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しばらくした数日後、再度クリーニングのご依頼をいただきました。
不思議に思い、また話を伺ったところ、リメイクドレスは、第一子、第二子のお子さんたちへと引き継がれ、2人目のお子さんが着用し終えたため、きれいにして保管したいということでした。
お話を伺っていると、つるやクリーニングの経営理念「きれいを形にして、再生する。」や、2014年から弊社で始めている衣類の循環再生事業「衣類リサイクリーニング」の内容に近く、衣類を大切にされているお人柄に、こちらとしても強く共感するものがありました。
循環再生という、一つのキーワードから生まれる道は、無限です。
こうして時代を繋いできた衣類は、もしかしたらまた次の世代へ引き継がれるのかもしれませんね。
こちらにまで幸せな気持ちを分けていただき、A様、ありがとうございました!
(今回の写真およびエピソードの掲載については、ご本人に許可いただいております)